愛に溺れ、濡れた心
「ってか、もうチビじゃねーし……」




その通り。
あんなにちっちゃかった翔太はもう莉紗の背を余裕で越してすっかり大人になっていた。
ひとつ年下だったから、22歳のはず。



「久しぶり…っていうかよく私のことわかったね!昨日から気付いてたの?」



「もちろん。びっくりしたけど。お前俺の初恋の女だから間違うわけないと思って。」



そう言うと悪戯っぽく笑った。



「初恋?えっ…全然気付かなかったけど…」




「だろうな。全く相手にされてなかったから。」



ハァ~と大袈裟な溜め息をつくと、翔太は時計に目をやり慌てて立ち上がった。




「げ!もうこんな時間!悪いけど仕事行くわ。」




「お仕事何してるの?」




「美容師。ごめん莉紗、また連絡するから飯でも行こうな!」




そう言い残して翔太は行ってしまった。






(うそー……まさかあの翔太と再会するなんて……)




驚きと同時に、懐かしい幼なじみと再会できて、莉紗は少しウキウキしていた。





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