愛に溺れ、濡れた心
その夜ーーーーー





「あのね、昔一緒に遊んでた幼なじみの男の子と偶然再会したの。すごいでしょ?」



「へえ…。よかったな。また仲良くできそうか?」



ベッドで莉紗の髪を優しく撫でながら、いつもの落ち着いた低音の声で涼は問いかける。




「久しぶりに会えたから、明日の夜、食事に行くことになったよ。」



「そう。」



返事はそっけないけど、表情は優しい。




(もしかしてヤキモチ妬いてくれてたり…?いや、お兄ちゃんはそんなタイプじゃないか…)





「朝帰りするなら連絡しろよ?」



「はっ…??」



真顔で言う涼に、訳がわからなすぎて固まってしまう。




「ちょっ…お兄ちゃん何言ってるの?食事行くだけだよ?どうしてそうなるかなぁ…」




あたふたする莉紗をからかっているのか、涼は余裕の笑みを浮かべていた。



「待ってるからちゃんと帰ってこいよ?」



「当たり前よ…」



「そう。いい子だ。」



身体をグッと引き寄せられると、唇から首筋へ優しいキスをされる。



「ぁ…お兄ちゃん…」



涼にはかないっこない。
心も身体も…満たされていたい。








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