愛に溺れ、濡れた心
それからどのくらい経っただろう。
ぼんやりと目を開くと、何故か上半身裸の翔太が目に入った。



「きゃっ!!」




「起きた?お前寝てたから風呂入ってきたんだよ。」




タオルでごしごし頭を拭きながら、莉紗の隣に座ってくる。




「とりあえず服着てよ服っ!」




「何意識してんの?」




「ちがっ…。もーお願いだから着て!」





ハイハイと言いながらスウェットを被る翔太。
涼以外の裸を見るなんて、それだけでなんだか悪いことをしているような気分になる。







「もう1時だけど。泊まってけば?別になんもしねーし。」




「当たり前よっ。でも帰る。お兄ちゃんに帰るって言ったし…」




「ふーん、兄ちゃんね…」




「……何……?」




「いや、またいつでも遊びに来いよ。じゃ、送るから、行くぞ。」




「うん…ありがと。」





ちょっといつもと違うような翔太の顔。
気のせい…かな…?





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