キミの誘惑
「……分かったから」
仕方ない、やってやろうじゃん
絶っ対失敗なんかしないんだから!
「やったあ!先輩大好きです!」
それから数日
結局遼くんは部活が忙しいとかで私のバイト先には来ていない
だから、油断してた―――
カランコロン、
「いらっしゃいま…せ」
「やっほー、来ちゃった」
いつものように、営業スマイルでお客さんを迎えたのに……
入ってきたのはユメと遼くんだった
「今日来るなんて言われてない!」
「言ってないもん、それに」
「部活が急きょオフになったんでいい機会だと思って、中村先輩に連れてきてもらいました」
「そういうこと。ほら、席案内してよ。うちら一応お客さんだし」
「うっ……こ、こちらへどうぞ」
仕方なく、二人を案内したけど…、ほかのお客さんの視線がイタイ
ほんとこの二人が並ぶとひときわ目立つんだよね…
「ご注文決まりましたらお呼びください」
いつも通りのセリフを言うのは少し恥ずかしいけど、仕事だし仕方ない
「あんまり長居しないでよね」
二人に小さく話しかけると、私は仕事へ戻った