キミの誘惑



「じゃ、あたしはこれで。暗いんだから気をつけてね、

二人とも」


「えっ」

「ばーか、先輩甘く見ないの。後輩くんの考えてることなんてお見通しなの」


「・・・・・・適わないっすね。大丈夫です。俺、頼れるオトコになりますよ?」

「なら安心。じゃあね」


さすが中村先輩だ

俺が今ここですぐに帰らないことを分かってる


俺は中村先輩の後ろ姿が見えなくなってから、駐車場近くの壁に寄り掛かった



“待つ”ことが好きじゃない人も少なくないと思う


けど、ミオ先輩を待ってるこの時間は全然苦痛にならなかった





< 21 / 37 >

この作品をシェア

pagetop