キミの誘惑
ふぅ・・・・・・今日も疲れたぁ・・・・・・
ある意味、精神的にも疲れたけど
裏口のドアを開けて外に出ると、いつもと変わらない暗くなった空と道路と──────
人影!?
よーく見ると、見慣れた姿
いや、先ほどまでファミレスいた
「・・・・・・遼君?!」
どうしてここに───?
壁に寄りかかりイヤホンをした、彼がいた。
「先輩、お疲れ様です」
ちょっとビックリしてその場から動けない私
そして私に気付いて遼君は近づいてくる
「一緒に帰りましょう」
「・・・・・・ず、ずっと待ってたの?」
「はい!21時上がりって中村先輩から聞いて」
「そ、そっか。なんかごめん」
「謝んないでくださいよ。それに俺、男だし」
男だし?見れば分かるけど・・・・・・
「はぁ・・・・・・。先輩は女の子だから夜道一人は危険ってこと」
危険もなにも、いつものことなんだけどなぁ
でも今日は待っていてくれたんだし、一緒に帰ろうかな
「ありがとう、心配してくれて」
「・・・・・・っ」
「な、何赤くなってんの!」
「だって先輩可愛いから」
あぁもう!こっちまで恥ずかしくなってくる
「ほら、行こ!」
「はいっ」