キミの誘惑
なんか不思議・・・・・・
遼君といると疲れが飛んでいってしまう
また心の中が暖かくなって───
「先輩、これからはバイトある時は一緒に帰りましょうね。迎えに行きますから」
「そ、それだけはやめてーっ」
部活で忙しい遼君に迎えに来てもらうなんて、申し訳なさすぎて顔が見れない
それに、夜道くらい一人でも大丈夫だし!!
あ・・・・・。歩幅合わせてくれてる・・・・・・
こうして並んで歩くの初めてかも
後輩のくせにやっぱり男の子だ
慎重だって高いし、まるでモデル体型じゃん
「先輩」
「え、あ、何?」
ボーっとしちゃってたから、いきなり呼ばれてビックリしたぁ・・・・・・
「今日の先輩、めちゃくちゃ可愛いかったです!」
「そ、そんなことないからっ!」
普通だよ、普通
そこらへんの女子高生と何ら変わらない
ただ、バイトしてただけだもん
「ずっと見てて思ったんです。一生懸命な先輩が可愛いなぁって。あと、笑顔も」
そういって笑う遼君のほうが素敵な笑顔だと思う
「だけどちょっと妬いちゃいました」
妬いた?焼いた?
「お客さんみんな、先輩見てるんだもん」
唇を尖らせて拗ねてる遼君に少しだけ胸がキュンとする