キミの誘惑

彼はいつもと同じく、私を好きといって帰っていく

教室の中で大きな声で言うもんだから、クラスメートがみんな好奇の目でこちらを見てくる


･･････もう慣れたけど


「愛されてんねーミオも。付き合っちゃえば？」

「･･････もう、他人事だと思って･･････」

「でも、お似合いだよ？幸樹もそう思うでしょ？」

「･･･さぁな」


あ、行っちゃった･･････

「私の理想は年上なの。大人で頼りがいのある人」

「後輩くんもオトコだよ？いざってときはしっかりしてそうだけど」

「年下を恋愛対象として見たことないんだもん、わからないよ･･････」


わからない。年下に恋する感覚が。


「後輩くん、本気でミオのこと好きだと思うよ」

「･･････うん」


私は、どうするべきなんだろう───


今のままじゃ、ノーとしか言えない


けど、はっきり断れないのはきっと、遼くんと一緒にいるときの自分心が揺らいでいるからで───