へたれ王子
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だけどあたしとしては、どうにかして星河先輩と一緒にいたい。
そう思って自分なりに「ごみ拾いを星河先輩と一緒に回れないか」を考えてみた結果、
“誰よりも早く星河先輩の元に行くしかない”
…って、それしか方法が浮かばなかった。
あ~、4時間ずっと考えてたのに。
だけど、午後から教頭先生の短めの話をちょっとだけ聞かされて、
いざ「行くぞ!」ってなった瞬間…
「きゃー、星河せんぱーい!」
「一緒にやりましょ!」
「えー、先輩、あたしも星河先輩と一緒がいいですぅ~」
「!!」
みんなはあたしなんかとは比べ物にならないくらいに早く、まるで新幹線のように星河先輩のもとへ走って行ってしまった。
あ~、あたしのせっかくの計画が…。
「遊びじゃないんだぞー」
その一部始終を見ていた先生は、女子たちにそう言うけど、みんなは聞く耳持たず…。
「わかったわかった、じゃあみんなで仲良く。ね?」
そして優しい星河先輩は、笑顔でそう言って応えてあげている。
あーあ、あたしが携帯を持っていたら今頃は…。
こんな時、やっぱり携帯が欲しくなるんだ。
…しかたない独りで回ろ。
そう思っていた時だった。
「菊池先輩!」