へたれ王子



星河先輩 side



あー、つっっかれた。

早く帰りてー。



ごみ拾い中。

俺は疲労が限界に近づいてきたため、

みんなの目を盗んで、草むらに隠れて休んでいた。


ここなら見つかる心配とかないし、

なにより涼しい。


そう思って涼んでいると…




「あ、星河先輩!」



って、誰かに上から声をかけられた。


まずい、見つかった!!



「は、はいっ!?」



その声に慌てて振り向くと、そこには二年女子の菊池君のファンのコ達が数人いた。


あ、なんだ…ビビった。

どーせこのコ達は「菊池先輩何処にいるんですか?」とか聞きに来たんだろう。

…そんなの知らねぇー。


俺がそう思いながら「なに?」って笑顔を浮かべると、そんな俺にそのコ達が不満げに言った。



「大変ですよ。星河先輩の彼女さん、とられちゃってます、」

「え、」



思いもよらぬ言葉に、俺は耳を傾ける。

とられちゃってる?



「…どーゆー事?」



俺がそう聞けば、その女子達がはっきりと言った。



「菊池先輩と、星河先輩の彼女さんが二人で仲良くしちゃってるんですよ!」

「もーなんか二人でニコニコしてて、」

「!!」




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