へたれ王子



「ほんとうかなぁ~?」

「…」



…なんだ?

俺ってもしかして、思ってることが顔に出やすいタイプなのか?




…いやまさか。よく「わからない」って言われまくってるのに。



「本当だよ」



しかし俺がいくらそう言っても、そいつは結局信じてくれなかった。







茉友 side



そして、昼休み。

あたしが屋上に行くと、そこにはもう既に菊池先輩がいた。


…ってアレ?星河先輩はいないのか…。

てっきり、星河先輩が「メール打つのめんどくさいから、菊池君が打って」とかなんとか言ったのかなーって、思ってたのに。



あたしがそう思いながら菊池先輩に近づくと、

校舎から見える街並みを眺めていたらしい菊池先輩が、くるりとあたしの方を振り向いた。



「よっ、茉友ちゃん」

「こんにちは。どうしたんですか?」



あたしは菊池先輩にそう問いかけると、少し離れた隣に立つ。

春風が凄く心地よく吹くなか、菊池先輩が「あのさ」って話し出した。




「…もうすぐ、友希の誕生日なの。茉友ちゃん知ってる?」

「え!?」



なに、それ初耳!



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