へたれ王子



「え、いつ…いつですか!?」



あたしがそう聞くと、菊池先輩が



「今週末だよ」



って答える。



「…そうなんですか、」



じゃあ、何か誕生日プレゼント買わなきゃ。


そう思っていると、隣にいる菊池先輩が言った。



「で、もし良かったらなんだけどさ…」

「?」

「一緒に、友希の誕生日プレゼント買いに行かない?」

「!」



菊池先輩はあたしにそう言うと、チラリ、とあたしに目を遣る。



「や、あの、ほら…まだ二人付き合ったばっかだし、
茉友ちゃんだって友希のほしい物とかわかんないだろうなぁなんて思って…」

「…」

「だから、一緒に選びに行けたらなぁ、って思ってるんだけど…」



菊池先輩は時折街並みに目を移しながらそう言って、言葉を付け加えた。



「…ダメ、かな?二人でってのは…」

「えっと…」



…どうしようかな。

星河先輩は「もう二人を疑うのやめる」って言ってくれたけど…。



でも…確かに菊池先輩の言う通り、あたしはまだ星河先輩のほしい物とか知らない。


あたしがそう思って迷っていると、そんなあたしに気付いたらしい菊池先輩が、

また口を開いて言う。



「…友希には、俺からうまく言っておくからさ」

「…」

「どう?」



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