へたれ王子



そして、それから約30分後。

ようやく星河先輩へのプレゼントが決まって、

会計を済ませると二人で店の外に出た。


ちなみに、あたしが選んだものはマグカップ。

全体的に青色で、星河先輩のイニシャルである“Y”が白で書かれてあるもの。

腕時計と迷ったけど、悩みに悩んでこっちにした。




「菊池先輩は何にしたんですか?」



そう言って、菊池先輩を見ると…



「俺?…ないしょ、」



って、ちょっと意地悪な笑顔を浮かべた。



「え、なんでですか!」



ちょっと気になるんですけど!







…そう言った、次の瞬間…






「あ、だいすけぇ~!」





突如遠くの方から、菊池先輩を呼ぶ女の人の声が聞こえてきた。




「!」



その声に振り向くと、菊池先輩は…




「…香菜」




静かに名前を呟いた。




< 152 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop