へたれ王子
*彼が私から離れて行きます*
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そして、月曜日。
「はぁ…」
教室で独りため息を吐いていたら、
すぐ後ろでいつもの如くメイクをしていた佐伯さんに言われた。
「ちょっとアンタ、ただでさえ暗いのがもっと暗いとか…終わってるわね!」
「…すみません」
ちなみに今は三時間目の休み時間。
いつもならこの時間も次の授業の予習をしているのに、
今日は全く何にも手につかない。
…ってか佐伯さん、終わってるとか…酷いことを言うねぇ。
「星河先輩と何かあったの?」
佐伯さんはそう問いかけてくると、いったんメイクをする手を止めてあたしを見てくる。
「聞いてくださるんですか?」
思わずあたしがそう聞くと、意外にも佐伯さんはすぐに「うん」と頷いてくれた。
「まぁ、あんたには一応借りがあるわけだし(トイレで助けてもらったりとか)」
「!!…ありがとうございます!」
「…べ、別にお礼なんていいんだけどさ」
あたしが嬉しそうにしていると、佐伯さんは「で、何があったの?」と
ファンデーションをパタパタさせながら聞いてきた。
「実は、この前の週末…」