へたれ王子
…佐伯さん、結構照れ屋なんだな…。
だけど、佐伯さんに話したらちょっと楽になった気がする。
でもこれからどうしようかな…。
…星河先輩に、メールでもしてみる?
そう思ったけど指がなかなか動かず、
そのままあっという間に4時間目の授業開始のチャイムが鳴った。
星河先輩 side
休み時間に独りため息を吐いていると、
すぐ傍にいる女子が言った。
「ちょっと友希暗ーい。どうしたの?」
そう言って、ちょっと心配そうに俺の顔を覗きこんでくる。
「…ちょっとね」
彼女のことで悩んでる、なんて言いたくなくてそうごまかしてみるけど、
女ってのはどーしてかすぐにわかってしまうらしい。
「あ、わかった。彼女と何かあったんでしょ?」
「!!?」
「ほら、その顔はビンゴだ♪」
なんでわかるんだよ…。
そう思いながらも、「せいかーい」って笑顔を浮かべてみたけど、
そのコは「だいぶ落ち込んでるね」なんて言ってくる。
…??
俺、そんなわかりやすい?
ってか、顔に書いてあるゼってやつ??