へたれ王子
そう聞いたら、菊池先輩は
「遊園地」
ってそう言う。
「ゆ、遊園地…」
わ、なんか、凄くデートっぽい。
星河先輩だったら絶対ありえなかった選択場所だな。
そう思って「そうなんですか」って相槌を打ったら、菊池先輩があたしに言った。
「あ、茉友ちゃん他に行きたいトコあったらそこ優先するけど」
そう言って、何気なく顔を覗き込んでくる。
!!
顔!顔近いって!!
そう思いながら慌てて「遊園地がいいです」って言ったら、菊池先輩は少し笑って言った。
「そう、なら良かった」
「…」
ってか…な、なんであたし笑われたんだろう。
そう思って軽くショックを受けていたら、菊池先輩が言った。
「っつか茉友ちゃん。緊張してる?ガッチガチだけど」
「!」
「もっと肩の力抜いていいんだよ。じゃなきゃ後々疲れちゃうから」
菊池先輩はそう言うと、またクスクスと笑う。
優しい笑い方だけど、やっぱ何か自分が恥ずかしい。
ってか、菊池先輩が慣れ過ぎなんだって、きっと!
そう思うとなんだかあたしはますます恥ずかしくなって、菊池先輩に言った。
「でも、きき菊池先輩は慣れてらっしゃるんじゃないですか?で、デートとか…」