へたれ王子
*彼はやっぱりへたれです*
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菊池先輩の家を出ると、外はもう薄暗かった。
だけどどうしても自分の気持ちだけは伝えておきたいあたしは、
携帯で星河先輩に電話をする。
するとワンコールでそれに出てくれて、電話の向こうで星河先輩が言った。
「…もしもし。どうしたの?」
その声に、あたしは物凄くドキドキしながらも星河先輩に言う。
「い、いい今から逢いたいんですけど、お時間よろっよろしいでしょうか?」
あたしがそう聞くと、星河先輩はちょっと笑って言った。
「いいよ、」
………
………
その後待ち合わせた公園で星河先輩を待っていると、
星河先輩は上はTシャツに下はジャージのズボンの格好で来た。
ブランコに乗っていたら星河先輩も隣のそれに座って、あたしに問いかける。
「…菊池君のとこ行って来たの?さっき」
そう言って、何処か切ない顔をする。
だけどそんな顔は見たくなくて、あたしはその問いかけに頷いたあと、
「…でもあたし、菊池先輩とは付き合いません」
と、隣の星河先輩を見遣った。
「……え?」