へたれ王子



星河先輩はそう言うと、優しい笑顔であたしを見遣る。

その言葉に、嬉しくなったあたしは…



「じゃあ、遊園地に行きたいです!」



一度だけでいいから星河先輩と観覧車に乗ってみたくてそう言うと、

星河先輩は一瞬にして表情を強張らせた。


…あれ、やっぱり遊園地はマズかったかな。


そう思っていたら、星河先輩が首を横に振って言う。



「っ…デートに遊園地なんてヤダよ!俺が乗れるモノないじゃん!」

「!」



そう言って、そっぽを向いてしまった。


…あぁ、やっぱりな。


じゃあ…じゃあ、どうしよう…。



……あっ!






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