へたれ王子
【おまけ】
日曜日。
俺は何をするでもなく、独り自分の部屋のベッドで寝転がる。
特に茉友ちゃんとの約束がない週末は、こうしてのんびりすることが多くて。
っつか、そもそも俺ってインドア派だから、茉友ちゃんと約束してる以外は全部家にいるな。
そんなことを思いながらも、まぁいいか…と寝返りを打つ。
…外は、晴天。
絶好のお出か……いや、ゴロゴロ日和だ。
こんな日は、心も爽やかだね。うんうん、幸せ。
ただし…
「ねぇ友希、遊びに行こ」
「……」
コイツ、菊池君さえこうやって家にお邪魔していなければ。
菊池君は今日は今朝から俺の部屋に遊びに来ていて、さっきからずっとこの調子なのだ。
ちなみに今の時間は、昼過ぎの13時。彼は既にもう3時間くらい俺の部屋に滞在している。全っ然約束とかしてないのに。
俺は相変わらずの菊池君の言葉を聞くと、背中越しに言った。
「…今そんな気分じゃないから無理」
「ええー。ゲーセン行きたい」
「独りで行ってきなよ」
「独りでゲーセン行ったって何が面白いんだよ」
友希いなきゃつまんないだろ、と。
どうしても俺を外に連れ出そうとするそいつ。
菊池君は、たまにこうやって約束をしていないのに俺の部屋に来ることがある。
そしてそういう日は、今日みたいに「遊ぼ」「遊ぼ」の繰り返し。
まぁ菊池君が俺の部屋に来る理由は、あの怖い姉達にたまに家から追い出されるからなんだけど。
俺が思わず寝そうになっていると、菊池君が言った。
「じゃあゲームしようよ」
「やだ」
「んー…あ、カラオケとかは?行こうよ久々に」
「無理」
そうやって俺が菊池君の提案に断り続けていると、菊池君が言う。
「…友希は何がしたいの」
「寝たい」
「えー、そればっかじゃん」
「だって…そもそも今日約束してないから」
「…」
そう言いながら、今にも寝落ちしてしまいそうな俺。
まぁ、部屋にいるのは菊池君だし、別にいっか。
しかしそう思いながら今尚目を瞑っていると、そのうち菊池君が呟くように言った。
「…へぇ、そんなこと言うんだ」
「…」
「いいよいいよ。友希に頼った俺がバカだった。…今日は俺もう茉友ちゃん誘って二人で遊ぶから」
「っ、それはもっとダメ!!」
「!」
菊池君がそんな思わぬことを言った瞬間。
俺は、自分でもビックリするくらいに、瞬時にベッドから起き上がった。
何を言ってるんだよ菊池君。
いくら俺が話に乗ってくれないからって、それはないと思うんだ。
しかし起き上がって菊池君と目が合った瞬間、彼はまるで「引っ掛かった」と言わんばかりに俺に言う。
「あ、やっと起きた」
「!」
「何する?ゲーム?あ、ボウリングとかでも大歓迎だよ」
そう言って、ニコニコと俺を見つめる菊池君。
…しまった。やってしまった。
これは彼の毎回恒例の手口だって、幼なじみの俺が一番わかってるはずなのに。
茉友ちゃんが絡んでくると、どうしても毎回引っ掛かってしまう。
「…まさかもう言わないよね?寝るなんて」
そして菊池君の表情が、だんだんブラックになってくるのを見たら、さすがの俺もベッドから降りながら言った。
「…俺はゲームがしたいなぁ菊池君」
「あ、そ。ちょうどよかった。俺家からソフト持ってきたんだよ。…姉貴のをこっそり持ってきたんだけど」
「いやそれはマズイだろ!」
…だけど、何だかんだで腐れ縁。
コイツ、菊池君とは切っても切れない関係なのかもしれない。
その後俺達は、何だかんだで外が茜色になるまでゲームをやり倒した…。
【休日の菊池君】
(菊池君って実は自分のことカワイイ系男子って思い込んでるでしょ)
(……まぁそうやれば皆たいてい言うこと聞いてくれるからね)
日曜日。
俺は何をするでもなく、独り自分の部屋のベッドで寝転がる。
特に茉友ちゃんとの約束がない週末は、こうしてのんびりすることが多くて。
っつか、そもそも俺ってインドア派だから、茉友ちゃんと約束してる以外は全部家にいるな。
そんなことを思いながらも、まぁいいか…と寝返りを打つ。
…外は、晴天。
絶好のお出か……いや、ゴロゴロ日和だ。
こんな日は、心も爽やかだね。うんうん、幸せ。
ただし…
「ねぇ友希、遊びに行こ」
「……」
コイツ、菊池君さえこうやって家にお邪魔していなければ。
菊池君は今日は今朝から俺の部屋に遊びに来ていて、さっきからずっとこの調子なのだ。
ちなみに今の時間は、昼過ぎの13時。彼は既にもう3時間くらい俺の部屋に滞在している。全っ然約束とかしてないのに。
俺は相変わらずの菊池君の言葉を聞くと、背中越しに言った。
「…今そんな気分じゃないから無理」
「ええー。ゲーセン行きたい」
「独りで行ってきなよ」
「独りでゲーセン行ったって何が面白いんだよ」
友希いなきゃつまんないだろ、と。
どうしても俺を外に連れ出そうとするそいつ。
菊池君は、たまにこうやって約束をしていないのに俺の部屋に来ることがある。
そしてそういう日は、今日みたいに「遊ぼ」「遊ぼ」の繰り返し。
まぁ菊池君が俺の部屋に来る理由は、あの怖い姉達にたまに家から追い出されるからなんだけど。
俺が思わず寝そうになっていると、菊池君が言った。
「じゃあゲームしようよ」
「やだ」
「んー…あ、カラオケとかは?行こうよ久々に」
「無理」
そうやって俺が菊池君の提案に断り続けていると、菊池君が言う。
「…友希は何がしたいの」
「寝たい」
「えー、そればっかじゃん」
「だって…そもそも今日約束してないから」
「…」
そう言いながら、今にも寝落ちしてしまいそうな俺。
まぁ、部屋にいるのは菊池君だし、別にいっか。
しかしそう思いながら今尚目を瞑っていると、そのうち菊池君が呟くように言った。
「…へぇ、そんなこと言うんだ」
「…」
「いいよいいよ。友希に頼った俺がバカだった。…今日は俺もう茉友ちゃん誘って二人で遊ぶから」
「っ、それはもっとダメ!!」
「!」
菊池君がそんな思わぬことを言った瞬間。
俺は、自分でもビックリするくらいに、瞬時にベッドから起き上がった。
何を言ってるんだよ菊池君。
いくら俺が話に乗ってくれないからって、それはないと思うんだ。
しかし起き上がって菊池君と目が合った瞬間、彼はまるで「引っ掛かった」と言わんばかりに俺に言う。
「あ、やっと起きた」
「!」
「何する?ゲーム?あ、ボウリングとかでも大歓迎だよ」
そう言って、ニコニコと俺を見つめる菊池君。
…しまった。やってしまった。
これは彼の毎回恒例の手口だって、幼なじみの俺が一番わかってるはずなのに。
茉友ちゃんが絡んでくると、どうしても毎回引っ掛かってしまう。
「…まさかもう言わないよね?寝るなんて」
そして菊池君の表情が、だんだんブラックになってくるのを見たら、さすがの俺もベッドから降りながら言った。
「…俺はゲームがしたいなぁ菊池君」
「あ、そ。ちょうどよかった。俺家からソフト持ってきたんだよ。…姉貴のをこっそり持ってきたんだけど」
「いやそれはマズイだろ!」
…だけど、何だかんだで腐れ縁。
コイツ、菊池君とは切っても切れない関係なのかもしれない。
その後俺達は、何だかんだで外が茜色になるまでゲームをやり倒した…。
【休日の菊池君】
(菊池君って実は自分のことカワイイ系男子って思い込んでるでしょ)
(……まぁそうやれば皆たいてい言うこと聞いてくれるからね)