へたれ王子
…しかし、あたしがそう言っても、イマイチ反応が薄い星河先輩。
そういえばこうやって放課後に寄り道をするのも、凄く珍しいことだったんだよね。
そう思って、その真相を聞こうとしたら…
「あのっ…茉友ちゃん、」
「はい?」
その時。
ふいに星河先輩に呼ばれて、あたしは先輩の方を向いた。
そしたらそこには、何故か少し顔を赤くしている星河先輩がいて。
…どうしたんだろう?そう思っていたら…
「…キス、してもいい?」
「!」
いきなり、星河先輩がそんなことを言い出すから。
まさかの言葉に、あたしまで思わず顔を赤くした。
だってそんなの、星河先輩にしてはレアすぎる。本当にどうしたんだろう。
そう思いながら頷いたあと、ドキドキして、そのキスを待っていたけれど。
「…?」
だけど、何故かキスはなかなか降ってはこなくて。
そのうちしびれを切らして目を開けてみれば、そこには顔を真っ赤にしながらキスを躊躇う、星河先輩の姿があった。
…彼はやっぱり、今日も通常運転でした。
【いつもと違う先輩は、/おまけ③】
(あと3センチ!3センチに勝てねぇ!)
(もー、こっちがドキドキしますよ~)