へたれ王子
「じゃあ、君の話から聴くよ。何?」
星河先輩はまだ廊下を気にしつつも、あたしにそう問いかける。
「え、えっと…」
あぁ、心臓がうるさい。
ってか緊張する。
ヤバイ、もうどうしようっ…。
でも、それでもちゃんと星河先輩に伝えなきゃいけないあたしは、次の瞬間思いきって先輩に言った。
「す、好きですっ…!」
「!」
…って、あぁ言っちゃった!
言っちゃったよお母さん!!
怖いようっ…。
あたしが星河先輩の目を見れずにそう言うと、ドアの向こうで女子達がクスクスと笑ったのが聞こえた。
あぁ、早く振られてこの場を去りたい…。
そう思っていたら、星河先輩が意外な言葉を口にした。
「じゃあ、俺と付き合う?」
「!!…え、」
星河先輩はあたしにそう言うと、にっこりと微笑んで見せてくれた。