へたれ王子




保健室は、グランドからかなり近い位置で一階に存在する。

まだ止まらない血を気にしながら、あたしは急いで保健室に向かった。






******




「失礼します、」



あたしがノックをして一言言ってから保健室に入ると、保健の山下先生がそこにいた。

山下先生は50代半ばくらいの女の先生で、誰にでもフレンドリーで凄く優しい。




「あら、夏野さん!」

「あの、先生絆創膏欲しいんですけど…」



あたしがそう言って山下先生に近づくと、山下先生は慌てたように言った。







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