へたれ王子
だけど、せっかくだし。
聞いてもらいたいお願いがあるあたしは、思い切って星河先輩に言った。
「じゃ、じゃあ…」
「うん、」
「あたしとデートしてください!」
「…え、」
勇気を振り絞って、赤くなる顔を抑えて、裏返りそうな声にも気を付けて、あたしは星河先輩にそう言った。
うわ…ついに言っちゃった。言っちゃったよどうしよう!?
だけどせっかく言ったはいいものの、あたしは星河先輩の目を見れずに俯いてしまう。
やばい…「こいつキモイ」とか思われたらどうしようっ…!?
そんなことを思っていながらも星河先輩の言葉をじっと待つけど、ところが先輩の声はなかなか聞こえてこない。
「…?」
不思議に思って恐る恐る顔を上げると、そこには何故か顔を真っ赤にした星河先輩がいた。
「え…あの、星河先輩?」
あたしがそんな先輩に声をかけると、星河先輩は呟くように言う。
「で、デート…?」
「はい。デートが、したいんです。ほ、星河先輩と」
「!」
ドキドキしながらもそう言うと、星河先輩はバッとあたしから視線を逸らしてしまった。
え…もしかして、気に障っちゃったかな?
そう思っていたら、視線を外したまま星河先輩が言った。
「じゃ、じゃあ…遊園地と、」
「え?」