【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「俺、アイツと対決するんだ」
そういや、颯希にはまだ言ってなかったな。
「え?アイツって……藤堂?」
「そう。勝ったらアイツはもう心瑠に迫らねぇーって」
「おま……っ、そんな無茶な……!」
驚いた表情で俺を見る。
「大丈夫、俺だって本気出せば速いんだからな?」
「……無理すんなよな?」
「あぁ。てか、お前そろそろバトン渡ってくるぞ」
「あ、ほんとだ!じゃ、行ってくる!」
颯希は第4走者だから……もうすぐバトン回ってくるな。
ふと、藤堂蒼空の方を見るとバチッと視線が絡まった。
「絶対、負けねぇから」
と、藤堂蒼空は本気の目をしていた。
「俺だって負ける気はねぇよ」
絶対、勝ってやるよ……。
心瑠は俺が守るんだ……。