【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「アンカーの選手はそろそろ準備してくださーい」
先生の声で指定されたコースに立つ。
俺のクラスは……最後から2番目だった。
そしてアイツのクラスは1位。
なんだよ、頑張ってやろうじゃねぇーか。
しばらくすると藤堂蒼空は走り出した。
「青山っ!!!」
第5走者からバトンが回ってきた。
よし……っ!!!
俺は全力で走り出した。
「はぁ……っ、はぁ……っ」
4位のヤツと3位のヤツを抜かす。
あと2人……!!!
―――心瑠が応援している前を通った時だった。
「青山くん……!!!頑張ってください……!!!蒼空に負けないで……!!!」
間違いなく、心瑠の声だった。