【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「横谷、なにか曲入れる?」
野田くんがカラオケの曲入れるリモコンを持って言った。
「いや、私はいいよ~……音痴だし」
音痴だし、こんな大人数の前で歌うなんて恥ずかしいし。
「ん、そっか。でも、横谷の歌声聴きたかったかも」
「いやいやいや!ほんと音痴だから……!野田くんの歌声こそ、聴きたい!」
野田くんの声ってすっごく通ってるし、絶対上手いよね!
「えー、横谷が聴きたいって言ってくれんなら入れようかな」
「ほんとに?」
しばらくリモコンを操作して、野田くんは今流行りのバラードを入れた。
「わ!私、その曲好き!」
「ほんとに?俺も好きなんだ」
「あの歌手、いいよね」
野田くんとしばらくその歌手の話で盛り上がっていた。
「俺、横谷のために歌うわ」
「え?」
「次、野田だよ!」
委員長が野田くんにマイクを渡す。
わ、私のために……?