【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「なに、颯希くん。こんなとこに呼び出して。私、早く帰りたいんだけど」
心瑠は松浦になりきって言う。
「ゆ、結季ちゃん……!俺……結季ちゃ、のことが……す、すすす、好、きな、なんだ……!」
「はいカットー」
颯希のあまりの噛み具合にびっくりした。
「颯希、噛みすぎてなに言ってるか全くわかんねぇよ。もっと力抜いて」
「な、なるほど監督……!じゃ、もう1回お願いします!」
監督って……まぁいいや。
心瑠が教室を出て行ったのを確認すると、
「よーい、スタート」
俺はまた手を1回叩いた。
ガラガラ―――
心瑠が教室に入ってくる。
「なに、颯希くん。急に呼び出して。私、早く帰りたいんだけど……」