【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「もうっ!颯希、不安を煽らないの!青山くんは心瑠のこと大好きなんだから心変わりするはずないでしょっ」
結季ちゃんがそう言って颯希くんの頭を叩く。
「いってぇ~……冗談だってば!心瑠ちゃん、気にしなくていいからなっ」
「は、はい……」
キーンコーン―――
チャイムが鳴り、私は自分の席に着く。
「………はぁ」
「どうしたんだよ、溜息なんかついて」
私に話しかけてきたのは、青山くんだった。
「いえ、何もないですっ!ただの深呼吸です!」
「……あはは、なんだよそれ」
「あはは………」
笑ってごまかす。
でも本当は少し、不安を感じ始めていた。
颯希くんのせいじゃない。
私が危機感がなさすぎたんだ……。