【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「ねぇ、勇吾くん!勇吾くんってクッキー食べれる?」
「あぁ」
「じゃ、今度作ってくるから食べて~!」
隣の席だから会話がイヤなほど聞こえる。
私の気持ちに青山くんは気づいてないのかな……?
イヤなのに……言葉に出せない。
ワガママな女って思われたらイヤなんだもん。
「心瑠、乗り込んだら?」
結季ちゃんが青山くんを見て言った。
「いや……大丈夫……」
「大丈夫大丈夫って、全然大丈夫そうな顔には見えないよ!」
「……っ」
そんなに……顔に出てたかな……?
「私、トイレ行ってくるね……」
「……っ心瑠!」
私は結季ちゃんの言葉を聞かないフリして教室を出た。