【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「付き合って……るよ」
「へぇ~……なのに、恋人っぽくないよね。心瑠ちゃんって勇吾くんに対して敬語だし。なんか、師匠と弟子みたい」
そう言いながら不気味に笑う侑里ちゃん。
これ、本当に侑里ちゃん……?
なにかが憑りついたように怖い。
「私、最近思うんだよね」
「え?」
「……私の方が、勇吾くんと付き合ったら絵になるんじゃないかって」
………たしかにそうだ。
侑里ちゃんの方が美人だし女の子らしいし……。
「ま、それだけ言いたかったの。じゃあね」
侑里ちゃんはフッと笑って空き教室を出て行った。
静かな空き教室に私だけが取り残される。
「もう……どうしたらいいの……?」
侑里ちゃんの言葉で、青山くんの彼女でいる自信がなくなってきた。
もう、私が彼女でいいのかわかんないよ……。