【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
『考えとく』なんて言ったけど実際は行く気なんて全くない。
咲野って最近やたらくっついてくるから苦手っていうかなんていうか……。
「……あのっ」
校門をくぐって少し経ったとき、心瑠が口を開いた。
「ん?」
「……侑里ちゃんと、カラオケ行くんですか……?」
少し不安そうに聞いてくる心瑠。
嫉妬してくれてるのかな、なんて考える。
「行くって言ったら……どうする?」
面白半分で言った。
『行かないで』とか言われるのかなって期待してた。
「楽しそうだし……いいんじゃないですかね?」
アイツは笑顔で俺に言った。
「え……いいのか?俺がアイツとカラオケに行ってもなにも思わないのかよ」
俺は信じられなくて聞き返した。
「……っはい、青山くんが楽しいなら……いいと思います」