【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
あー、そうかよ。
心瑠は俺が誰と出かけようとどうでもいいんだな。
「………もういい、1人で帰れ」
「え……?」
「じゃあな」
「あ、青山くん……っ」
俺は繋いでいた手を振りほどいて、自分の家の方向に歩きだした。
「はぁ……マジでありえねぇ……」
曲がり角を曲がるときにふと、心瑠の方を見るとたまたま通りかかったのか、藤堂蒼空に抱きしめられていた。
「……っ」
なんで……抵抗しないんだよ。
やっぱり……それほど俺を好きじゃないってことか……?
この間好きって言ったのはウソだったのか……?
「もうわかんねぇ」
俺はそのへんにあった家の塀を殴った。
俺だけ勝手に感情的になってバカみてぇ……。