【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言






あー、そうかよ。
心瑠は俺が誰と出かけようとどうでもいいんだな。





「………もういい、1人で帰れ」




「え……?」




「じゃあな」




「あ、青山くん……っ」




俺は繋いでいた手を振りほどいて、自分の家の方向に歩きだした。




「はぁ……マジでありえねぇ……」



曲がり角を曲がるときにふと、心瑠の方を見るとたまたま通りかかったのか、藤堂蒼空に抱きしめられていた。



「……っ」



なんで……抵抗しないんだよ。




やっぱり……それほど俺を好きじゃないってことか……?




この間好きって言ったのはウソだったのか……?




「もうわかんねぇ」




俺はそのへんにあった家の塀を殴った。



俺だけ勝手に感情的になってバカみてぇ……。
< 248 / 328 >

この作品をシェア

pagetop