【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「……なんで泣いてんの?てか、青山は?」
「私……っ青山くんに嫌われちゃった……どうしよう……蒼空ぁ……っ」
「………なにがあったのか知らないけど……とりあえず泣け」
蒼空はそっと私を抱きしめた。
私は小さいときからどれだけ蒼空に慰めてもらったんだろう……。
お兄ちゃんみたいに私を温かく抱きしめてくれて……いつも甘えてばかりだ。
しばらく蒼空の胸で泣いた私は少し落ち着きを取り戻した。
「……落ち着いたか?」
「……っうん、ごめんね」
「……気にすんな。帰るぞ」
蒼空は私の頭をポンポンと優しくなでて、歩き出した。
帰っている途中、蒼空は私になにも聞かなかった。
たぶん、蒼空なりの優しさなんだと思う。
私も蒼空みたいに優しくなりたいよ……。
そんなことを考えていた。