【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「結季ちゃん~……」
私は颯希くんと教室を出ようとしていた結季ちゃんを引き留めた。
「結季ちゃん、掃除当番代わってください……」
「だーめ!ちゃんと話してきなさい。自分の気持ちを伝えなさい」
「そ、そんな~……」
話すって言ってもなに話したらいいのか……。
「心瑠ちゃん、やっぱり勇吾には心瑠ちゃんが必要なんだ」
颯希くんが私に言った。
「え?」
「勇吾、自分から心瑠ちゃんを手放したクセに後悔してる。抜け殻みたいになっちゃってさ……だから……勇吾には心瑠ちゃんしかいないんだ」
真剣な表情で私に言った颯希くんの言葉に「イヤだ」なんて言えなかった。
少し……期待しちゃってもいいのかな……?
「お願い、心瑠ちゃん。勇吾と少しでいいから話してくれないかな?」
「……うん」
私はゆっくりうなずいた。
私がうなずいたのを見た結季ちゃんと颯希くんは安心した様子で教室を出て行った。