【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「ご、ごめんなさい!!!お、幼なじみと人違いしちゃって……本当にごめんなさいっ!!」
横谷心瑠は、そう言って逃げるように去っていった。
「……面白いヤツ」
アイツは他の女子とは違って、俺に全く近づいてこない。
てかまず、興味すらなさそうだ。
ほとんどの女子が俺に近づいてくるのに。
そんな横谷心瑠に俺は興味を持った。
「あれ、さっきの心瑠ちゃんじゃないの?」
俺の本性を唯一知っている、荒川颯希(あらかわさつき)が、うどんの乗ったおぼんを持って俺の向かいの椅子に座った。
「あぁ……そうだな」
颯希とは小学校からの付き合いで、同じクラスだ。
「心瑠ちゃんってたしか、親しい人に抱き着くクセがあるらしいんだよね」
「なにそれ」
どんなクセだよ、それ。