【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「わかりました、なんて言ったクセに全く青山くんを忘れることなんてできなくて……ずっと目で追ってしまうんです……」
「おい……っ」
「でも、もうそんなことしません!だから……あと少しだけ……青山くんを好きでいさせてください……ワガママな女でごめんなさい……」
青山くんの声を遮り、言った。
その瞬間、涙が溢れてきて、私はその場にいられなくなった。
「ごめんなさい……っ先に帰ります……っ」
「……っおい!心瑠!」
青山くんの声を聞こえないフリをして、教室を飛び出した。
“心瑠”
最後にそう呼んでくれて嬉しかった。
颯希くんは青山くんには私が必要なんて言ってたけど……そんなことない。
でも、もう気持ちを全部言えたから……いいや。
すると、昇降口に着いたとき、誰かが私の前に立ちふさがった。
「ゆ……りちゃん……」
仁王立ちをした、侑里ちゃんだった。