【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「ふぅ………」
子猫のお見送りが終わり、立ち上がってくるっと後ろにいた青山くんの方を向いたとき―――
「へ!?」
私はすっぽり青山くんの胸に包まれた。
こ、これはどういう状況!?
私、青山くんに抱きしめられて………
青山くんの甘くて優しい香りが鼻をくすぐる。
し、心臓が爆発しそう……っ!
「あ、青山く……」
「……っご、ごめん」
青山くんは顔を真っ赤にして我にかえったように、私から離れた。
な、なんだったの……?
「あ、あの……」
「そろそろチャイム鳴るし、教室帰るぞ」
「は、はい」
私の顔を見ずにそう言って教室の方へ足を進めた。