【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
なんとか、遅刻せずに教室に到着した。
「はぁ………」
なんか最近、心瑠が無防備すぎて心配になってきた。
……って俺は彼氏か!
彼氏……心瑠の彼氏になれたらどれだけいいことか。
「なぁなぁ、横谷。昨日の化学のノート見せて。途中寝てたからさ……」
すると、心瑠の前の席の野田が心瑠に話しかける。
なんだよコイツ……心瑠に馴れ馴れしくしやがって。
「うん、いいよ!ちょっと待ってね」
心瑠は化学のノートを机から取り出すと、ノート1ページ1ページを確認しはじめた。
「……横谷、なにしてんの?」
「あ、いや、野田くんにこの間みたいな見苦しい絵を見せないために、描いてないか確認……」
なんだよそれ。
一生懸命にノートを確認する心瑠が可愛すぎるんだけど。
「あはは、別にいいけど?俺、横谷の絵、気に入ったし」
はぁ?なにが気に入っただ。
コイツ、マジでむかつく……。