ぼくはネコ
雨は昨日よりひどい。

ザーザーと降り続ける。

木の根元にも水がたまってきた。

僕は木に登ろうとして、すぐに落ちてしまった。


にゃー!


水は怖い。


空がピカピカ光って、たまに凄く大きな音がする。

僕の体にもビリビリ響いて、怖くなった僕は昨日より鳴いた。


にゃー!
助けて!
にゃー!
誰か助けて!


だけど、きっと誰も来ない。
もう何回もそうだから。

鳴いて、鳴いて、いつの間にか眠って、目が覚めたらまた「捨てネコ」って呼ばれる。

ずっとそうだった気もするし、前は違った気もする。
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