ぼくはネコ
「とにかく、汚いからソレを下ろしなさい」

「でも……」

「いいから!下ろしてアンタはシャワー浴びてらっしゃい!」


ニンゲンのオンナの声は大きくて、僕はちょっと耳を塞ぎたくなった。

下ろされた床は、初めての感触。

草の中より固くて、ペトペトとしている。

僕を下ろしたニンゲンがいなくなると、オンナが僕の首を掴んだ。

首を掴まれた僕は、この感じがなんだか懐かしくて鳴くのを止めたけど、固いもので体をゴシゴシと撫でられてまた鳴いた。


にゃー
痛いよー


「暴れないの!拭いてるんだから」


ゴシゴシ撫でられると、僕の体から水が消えていく。
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