ぼくはネコ
オトコが立ち上がる時。
オンナが動く時。

その音に僕はビクビクして飛び上がったけど、どうやらここは安全な場所みたいだ。

僕を追い払う怖くて大きな猫も出てこない。

長くてニョロニョロとしたものも出てこない。

「寄るなよ」って言って蹴ってくるニンゲンも出てこない。

なんだか記憶の片隅にある、暖かくて幸せな場所はここかもしれない。


ゴロゴロゴロゴロ


「こいつ、人懐こいな」

「まだ子猫だからじゃない?」

「どれくらいの子猫かな?」

「さぁ。あんまり撫でない方がいいよ。明日の朝には返すんだから」


にゃー
ありがとう
にゃー
ありがとう


僕を助けてくれてありがとう。
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