ぼくはネコ
ぬくぬく暖かかったベッドもない。


にゃー


鳴いてみたけど、自分の鳴き声が響くだけ。

ここはどこ?

一生懸命、歩いてみた。

まだ歩くのが下手な僕だけど、壁にぶつかったのは、僕のせいじゃない。

この感触は覚えてる。

まだ何も見えなかった頃、よくぶつかった感触。

ひんやりと冷たくて、ちょっと固い。

僕が産まれた時にいた場所。


「げー!庭にダンボールなんて置いておくから!野良猫が子ども産んでるじゃないの!」


って、叫ばれた場所。

歩けるようになってあそこから出たのに、また戻っちゃった?
< 2 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop