ぼくはネコ
昨日のことを思い出すと、お腹がすいてくる。

サカナと牛乳。

また食べたい。

ニンゲンに寄って行ったら食べさせてもらえるのかな。

川が赤く染まってちょっと寒い時間。

1日に2回くるこの時間は、ニンゲンがたくさん見える時間。


「あー、捨てネコだ」


僕が名前を呼ばれる時間。


「可愛いー」


僕に触ってもらえる時間。


ゴロゴロゴロゴロ
にゃー


いっぱいすりすりしたけど、今日は誰もサカナをくれない。

お腹がすいた僕は、また草を食べて吐いた。

夜になったらきっと、あのニンゲンがまた僕を美味しい場所に連れて行ってくれるはず。
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