ぼくはネコ
あの白くて暖かい中に、あれからまた別のニンゲンが1度連れて行ってくれた。

僕は嬉しくて、前よりもっとたくさんゴロゴロと喉を鳴らしたし、にゃーにゃー鳴いてありがとうと言ったけど、やっぱりこの草むらにまた戻された。


『捨てネコ』

『子猫』

『チビ』

『野良ネコ』


僕はいつの間にかたくさんの名前をつけられた。

その誰もが優しかったわけじゃなく、たまに僕の短い尻尾を摘んで笑うニンゲンもいた。

『自転車』というものに乗ったニンゲンにはじき飛ばされたこともある。
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