ぼくはネコ

僕が銀色を眺めている草むらギリギリに、水色のクルマが停まった。

この草むらにも、よくクルマが停まる。

何度か引かれそうになったこともある。

この時も、水色のクルマに引かれそうになって、僕は慌てて草むらに身を隠した。

そのニンゲンは、クルマから降りて一回大きく伸びをすると、草むらをキョロキョロと見回した。

僕はそれを、草の間からちょっとだけ顔を出して見ていた。

ニンゲンの足音が聞こえると、できるだけ素早くそしてできるだけ音をたてないようにニンゲンから逃げる。

まだ、どんなニンゲンかわからない。

僕の尻尾を摘んで笑うニンゲンかもしれない。

僕は身を低くして、ニンゲンを観察する。