ぼくはネコ
この道さえ渡れば、銀色のニンゲンに会えるのに。
そう思うと、隠れたままでも僕の尻尾は勝手にピョコピョコ跳ねた。
僕がもっともっと小さかった頃、怖かったけど頑張って何かの入れ物から外に出た気がする。
縦になってるとこまでぶつかったら、体を伸ばして、後ろ足でグイッと立ち上がったら、前の手を端っこに引っかけて。
そうやってよじ登った入れ物。
あの時みたいに頑張って、この草むらから出たら。
道路を渡ったら。
銀色のニンゲンが撫でてくれるかもしれない。
少なくとも、僕をいじめるニンゲンとは違う気がした。
「もう何日も鳴いてるの。どうしたらいいかわからないよ」
だって、聞こえる声が温かいから。
そう思うと、隠れたままでも僕の尻尾は勝手にピョコピョコ跳ねた。
僕がもっともっと小さかった頃、怖かったけど頑張って何かの入れ物から外に出た気がする。
縦になってるとこまでぶつかったら、体を伸ばして、後ろ足でグイッと立ち上がったら、前の手を端っこに引っかけて。
そうやってよじ登った入れ物。
あの時みたいに頑張って、この草むらから出たら。
道路を渡ったら。
銀色のニンゲンが撫でてくれるかもしれない。
少なくとも、僕をいじめるニンゲンとは違う気がした。
「もう何日も鳴いてるの。どうしたらいいかわからないよ」
だって、聞こえる声が温かいから。