ぼくはネコ
「ほら、チビ。サクラねぇちゃんだよー」

「名前、早く考えてあげなきゃね」

「だな。まぁ、何も病気なくて良かったよ」


おとうさんの家には、黒い大人の猫がいた。

大人の猫はサクラねぇちゃんというらしい。


「あんた、誰!?」


しゃー!と。
僕を睨みつける。


「僕は捨てネコだよ」

「捨てネコ?」

「サクラねぇちゃんはここの捨てネコ?」

「はぁ?」


僕を見る目つきがもっと鋭くなり、僕はおねぇちゃんの陰に隠れた。


「サクラ、頼むよ」


おとうさんがサクラねぇちゃんに大きなサカナを食べさせる。

サクラねぇちゃんよりちょっとだけ小さなサカナを僕にもくれた。

骨の少ない、食べるところがたくさんあるサカナは初めてだった。
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