ぼくはネコ
最初に食べたのは草だった。

すごく美味しくて、夢中で食べた。


そのあと、少し吐いた。


喉が渇いて、川の水を飲もうと思ったけど、ゴーゴー鳴る水音が怖くて近寄れなかったから、雨がたまった凹みを見つけて、茶色い水を飲んだ。

前に、もっと甘くて美味しくて温かい物を長いこと飲んでいた気がした。


そのあと、少し柔らかいウンチを繰り返した。


飛んでいるものを捕まえようとしたけど、毎回失敗した。



何人かのニンゲンは、僕を撫でてくれた。

撫でられるとなぜかとても嬉しくて、僕の喉はゴロゴロと勝手に鳴った。

撫でられた手が暖かくて、体をすりよせた。
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