善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。








「・・・・・・・・プロポーズ・・・・・しようと思ってたからだよ。 なのに、藍が変なモン見つけるから・・・・・・イライラして言えなかった」






「・・・・・・・・え??」






目を見開いた藍が、オレを見上げる。





あの日、自信満々だったプロポーズも、今は全く自信がない。






藍の気持ちが離れてしまっている気がするから。






「・・・・・・・藍に課長と波風立てて欲しくなかったのもさ、結婚したらオレが藍を養うんだって決めてたからさ、オレの立場が危うくなって、藍に苦労させたくないって思ったからでさ」







「・・・・・・・・・・」






無言でオレを見つめる藍。






返事がないと言う事は、結婚はしないという意思表示なのカモしれない。






・・・・・・・それでも、最後まで言いたい。






藍に、ちゃんとプロポーズを。
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