善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。





困った部長が『とりあえず、本田さんが謝れば丸く納まるんだから』とワタシに苦笑いを向けた。





部長の事は嫌いじゃない。 だから、困らせたくはない。





でも、謝るのはワタシではない。





「・・・・・・部長はこの量のシゴト、ひとりで出来ると思いますか??」





ポケットから携帯を取り出し、昨日取った写メを見せる。




「因みに、昨日のワタシと課長の会話も録音してありますが、聞きますか??」





そして、課長に向かってレコーダーをチラつかせた。





課長が物凄い形相でワタシを睨みつけた。





「課長、ワタシ昨日『ちゃんと振り分けて下さい』って言いましたよね?? 謝ってもらえますか?? ワタシひとりにシゴトを押し付けた事と、部長に嘘の報告をした事を」





自分、詰めが甘いなと思う。





睨み返そうとしたのに、半笑いになってしまった。







ざまあみろ。
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